正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

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死ぬほど頑張る

学生時代にラグビー選手だった父の影響で、子どもの時からラグビーが好きでした。
けれど、今も昔も変わらず、当時の外国選手は大きく、日本選手は華奢に見え、
スクラムを組んでも押されて後退。次から次へとタックルしても弾き飛ばされ、
これは勝てるはずがないと思いながら見ていました。
前回のワールドカップでも感じはしましたが、それ以上に今回は強く感じます。
日本ラグビーは本当に強くなった、感動ものです。
七転八倒していた選手たちが、七転八起、勝ちにつながる期待が持てます。
さらに、驚いたのは、選手たちが勝ちを信じて練習してきた、
死ぬほど練習したと誇らしげに語ったことです。チームは一つで、
その中で自分らしく戦うことを考えたと話すのには、人生そのものと思えた次第です。

年を取ったり、病気になったり、障害を持つことによって生活が不自由になったとき、
リハビリテーションを受けることになります。
このリハビリテーションは決して受け身の治療ではありません。
生きていくうえで、日々の生活の中で、最適な状況を自ら選んでいくことを目指し、
リハビリテーションスタッフはそれをサポートします。
なにが最適かというと、自分らしく生きることです。
障害は残るから障害と言われます。けれど、障害を持ちながらも
「自分らしく生きる」ことを基準に環境を調整していくことができたなら、
年を取ることを怯えて過ごす必要はなくなり、
病気の一つや二つにこだわることはなくなるかもしれません。

自分らしく生きるためには、時には死ぬほど頑張ることも必要でしょう。
それは年齢も、性別も、障害にも関係ありません。
体格や技能、それぞれの個性をどう社会で使うのか、何を目標に頑張ることができるのか。
これを掲げることのできる人生は素敵で、わくわくするのでしょう。
そう考えながら、ラグビー観戦をしました。少しでも前に前にと向かう姿に、涙します。
多くの人が、たぶん夢中になるのは何かを感じるからでしょう。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」406号(2019年10月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
北海道大学 大学院保健科学研究院 生活機能学分野 教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。