正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

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東洋医学でアンチエイジング其の四 ~つきつめると介護予防~

     - 鍼灸治療

今回のアンチエイジングのお話は、
5月号の末尾でご案内しました介護予防運動指導員のことについてお話させていただきます。
一昔前は「介護」のことを話題にしても「私には関係ない」「まだまだ先のことでしょ」
「まだ、介護の必要のない私に失礼でしょう!」というかんじでした。
しかし今、私たちの社会は、これまでに例を見ないスピードで高齢化が進んでいます。

2009年の総務省の調査では女性の4人に1人、男性の5人に1人が高齢者という結果がでております。
これから先、寝たきりや介護が必要な高齢者が急速に増えることが見込まれており、
介護が必要になったらどうしよう、介護が必要とならないためにはどうしたらいいのかしら?
という思いは誰もが共通に抱くものとなっています。
30年近くヨガ指導をしつつ、自分自身の加齢による体力・筋力の衰え、集中力・記憶力の低下を
あらためて客観的に直視したとき、年齢を重ねていく身体へのより効果的なヨガ指導が必要だなと思っておりました。
私が所属しております日本鍼灸師会の主催で、地方独立法人東京都健康長寿医療センター研究所が指導認定している
介護予防運動指導員資格取得講習会があるということで、
何か参考になる事が得られるのではないかと思い受講いたしました。
介護予防は転倒予防・失禁予防・低栄養予防・口腔機能向上・認知症予防と多岐にわたります。
学んでいて気がついたのはヨガ教室・ヨガサークルに通われている方は
かなり介護予防度が高いぞということでした。

アンチエイジングには
体力・筋力の衰え→外出しない→人との交流がない→気分の落ち込み・ウツ傾向→低栄養
の相互に悪循環が起きないようになさるのが大切です。
ヨガに来られる方々は外出をし、人と交流し、食生活に注意を払い、ヨガ(運動)をなさっています。
このようなみなさんには釈迦に説法でしょうが、
転倒予防に必要な筋肉や排尿トラブルに役立つ骨盤底筋のお話など交えて
みなさんとご一緒にアンチエイジングなヨガライフを楽しんでいきたいと思います。

*高齢者・・・WHOでは65歳以上を高齢者と定義
*地方独立法人東京都健康長寿医療センター研究所・・・昭和47年に設立。
 老年病・老年学の研究機関として研究実績は世界的にも高く評価されている


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」306号(2011年6月6日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。