正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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春の養生

     - 鍼灸治療

寒さが少しずつやわらぎ、春の訪れを感じ始める3月。気持ちがわくわくする一方で、心身ともに不調を感じやすい時期でもあります。

東洋医学では、自然界に存在するもの全てを「陰」と「陽」に分類する考え方があります。季節の移り変わりとともに陰陽のバランスは変化しており、日本では夏至に「陽」が、冬至に「陰」が極まるというサイクルを繰り返しています。3月は冬のあいだ優勢だった「陰」が少しずつ減り「陽」が少しずつ増えてきます。そんな季節の陰陽バランスの変化に私たちのココロとカラダも影響を受けています。4月からは進学や就職、転勤、異動、引っ越し、プロジェクトのスタートなど、社会生活においてもなにかと慌ただしくなる時節でもあるのでココロにもカラダにもアンバランスが生じやすい季節といえます。

私たちのカラダの五臓六腑の中で春に影響を受け負担がかかりやすいのは「肝」です。「肝」は気・血を巡らせるという働きがあります。「肝」に負担がかかりすぎると目の不調・筋肉のこわばり・イライラ・怒りっぽくなります。この季節を上手に過ごすために東洋医学の古典、黄帝内経には「人々は少し遅く寝て少し早く起き、庭に出てゆったりと歩き、髪を解きほぐし、体をのびやかにし、心持ちは生き生きと生気を充満させ、生まれたばかりの万物と同様にするがよい」と記されています。また春におすすめの食べ物としては山菜、魚貝類、柑橘類が良いとされています。

季節の養生法はネットをはじめいろいろなメディアで知ることができます。同じ3月とはいえ沖縄と北海道、東京と北海道では気候、風土が違います。その土地で長く暮らした経験や知識、そしてその時々のご自分の体調を観察してmy養生法を見つけるといいですね。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」447号(2023年3月6日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。