正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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立春

     - 鍼灸治療

日々の生活をていねいに暮らそうという風潮のせいか一昨年あたりから「二十四節気」に関する本やスマートフォンのアプリなどが見られるようになりました。

実際にそれらを手に取ってみますとそれぞれの季節をあらわす美しい日本語やその季節の植物や風物が紹介され、読んでいますと心にゆとりが感じられます。

「二十四節気」の二十四の美しい名称は2000年前の中国の「前漢書律歴志」に書かれていたそうです。農耕民族にとって寒暖温湿という季節の移り変わりを正確につかむことが収穫にかかわる大事なことでした。月の満ち欠けをもとにした太陰暦では太陽の動きとのあいだにずれが生じ、季節を知る目安にはなりませんでした。そこで、太陽が移動する黄道を二十四等分し各節気を約15日と定めて季節の推移を知ることができるようにしました。日本では飛鳥時代のころから採用されていたそうです。

寒い季節の苦手な私は、暦の中に〝立春〟という言葉を見つけただけで、ああ冬が終わるのだなと少しほっといたします。実際には北海道の2月4日は寒さの真っ只中なのですが・・。

それでも太陽と地球の位置関係は確実に変化し、少なくとも日の出は冬至の頃に比べ約15分早くなり日の入りは約40分遅くなっています。立春のあとには雨水、啓蟄、春分と続きます。今年も季節の変化を楽しみながら、すこしゆったりと暮らしていこうと思います。

参考文献

  • 『暦と占いの科学』永田ひさし 新潮新書
  • 『旧暦で楽しむ日本の四季 二十四節気と七十二候』宝島社

この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」338号(2014年2月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。