正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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風邪の予防

     - 鍼灸治療

カゼのことを「風邪」と書きますね。実はこの「風邪」というのは東洋医学の言葉なのです。「フウジャ」と読みます。風邪は身体の上部から侵入すると言われています。

背中の上部に風門というツボがあります。ここから風邪(フウジャ)が入ってくるそうです。

私たちの身体は外部からの刺激に対して身体の内部環境を維持して健康を保とうとする働きがあります。しかし、日頃の不摂生や疲労の蓄積はそのような自然治癒力を低下させ風邪などの邪を侵入させてしまいます。では不摂生とは具体的には何でしょう?

ずばり、暴飲暴食です。

ヨガ教室に通っている皆さんは担当の先生からカゼをひいたとき、「食べ過ぎしてなかった?食べ過ぎ、飲み過ぎするとカゼひきやすいのよ」とアドバイスされたことがありませんか?

東洋医学の陰陽五行説に照らし合わせると、まさにその通りなのです。カゼの症状の出やすい鼻、のどなどの呼吸器をつかさどる肺の経絡の”母”となるのが消化吸収にかかわる脾の経絡と胃の経絡なのです。つまり”母”の状態が悪くなりますと”子”も影響を受け調子が悪くなります。また、肺の経絡と表裏の関係にあるのが大腸の経絡なのです。

ですから食べ過ぎ、飲み過ぎますと脾・胃の経絡が弱り、肺の経絡の防衛機能も落ち風邪の侵入を許してしまうという結果になります。

さて、カゼの予防としましては、

①食べ過ぎ、飲み過ぎをしないように心がける。宴会の翌日は食事をひかえFEを飲用し胃腸を休めてあげましょう。

②カゼ気味かな?と感じたときは無理をせず身体をやすめる。

③鍼灸治療的には風門・大椎・肺兪 などのツボを使います。ご家庭では使い捨てカイロやヘヤードライヤーの温風などを利用して暖めてあげるのがよいでしょう。

十二月・一月と宴会の機会も多く、寒邪・風邪の季節でもあります。カゼなど召しませぬよう新しい年をお迎えください。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」252号(2006年12月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。