正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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犬のポーズのエピソード

     - 鍼灸治療

インドには「マハーバーラタ」という叙事詩があります。バラタ人の戦争を物語る18編10万頌の詩句と付録1編1万6000頌からなる1大叙事詩です。

「マハーバーラタ」の中に犬のポーズにつながるエピソードがありますが長い長いお話になりますので「YOGA FOR CHILDERN」という子供向けのヨガの本を参考に簡単にご紹介いたしましょう。

昔々、バラタ人に属するクル族とパーンドゥ族の大きな戦いがありました。勝利を得たパーンドゥ族のユディシュテイラ王は36年の統治のあと、孫に王国を譲り妻、5人の弟たちとヒマヤラへ巡礼の旅に出ます。すると汚い痩せた犬が1行についてきました。ヒマラヤまでの厳しい道の途中妻や弟たちは次々と倒れ、死んでしまいました。ひとり生き残ったユディシュテイラのもとにインドラ神が現れて「よくぞここまできた。さあ天界へ行こう。ただ、その汚い犬は連れて行くことはできない。捨ててしまえ。」といわれました。ユディシュテイラは「彼は苦楽をともにした最上の仲間。彼を捨てるなら私は天界へは行かなくとも良い。」と答えました。それを聞いた犬は神に姿を変えます。痩せた汚い犬は審判の神ヤマだったのです。ユディシュテイラは神々に導かれ天界に行ったのでした。

さて、犬のポーズは2種類ありますね。お顔が下を向くアド・ムカ・シュヴァーナ・アサナは足の筋肉を整え、頭の疲れを解消します。お顔が上を向くウールドゥワ・ムカ・シュヴァーナ・アサナは背骨を強く、しなやかにします。いつもの犬のポーズもこのようなエピソードを知るとちょっとやる気が湧いてきますね。

今年もみなさまとご一緒にYOGAを楽しみましょう!!


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」385号(2018年1月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。