正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

*

松尾芭蕉と三里の灸

     - 鍼灸治療

最近、脳を鍛えるということで「鉛筆で書く奥の細道」という本がベストセラーになっています。もうすでに本を買われて試された方、あるいは学生時代の授業で「奥の細道」習ったな~という方がたくさんいらっしゃると思います。「奥の細道」の序の部分に足三里というツボが出てくるのにお気づきでしたか?

序文の中で、芭蕉はみちのくに旅立つにあたって決意表明とともに、準備として①ももひきの破れを繕う②笠の緒をつけかえる③三里へ灸をする、をあげています。芭蕉の時代は旅といいますと自分の足が頼りでした。足三里というツボは脚の疲れを取るだけではなく、経絡上は陽明胃経に属しており消化力にも影響を与えます。胃が快調であれば水や食べ物の変わる旅先でも体力を衰えさせず旅を続けることができるでしょう。

私も当鍼灸院にいらしている方がご旅行される時には事前に足三里へ刺鍼・施灸し旅行中に使っていただけるようにミニ灸を差し上げております。
何も道具がないときでも指圧されるだけでも脚の疲れやむくみの解消に役立つと思います。

足三里

部位:膝の皿の下の少し外側にある突起した骨から指3本下にある骨と筋肉のくぼみ。
効能:消化器系の疾患、慢性疲労、脚のむくみ・疲れ、養生保健作用。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」249号(2006年9月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。