春の養生
- 鍼灸治療
東洋医学の基礎理論を説いている五行説によると
自然界の万物は木・火・土・金・水の5つの要素が互いに助け合ったり、
抑制しあって成り立っていると考えられています。
春の養生を語るときのキーワードは「木(もく)」、「肝」、「風(ふう)」です。
「木」の性質を持つ春は木々が芽吹くように生長の季節です。
樹木のようにのびやかに過ごすのが一番なのです。
「肝」は肝臓そのものの働きだけでなく、「血(けつ)」を体中に巡らせたり、
情緒の安定に関わっています。「肝」が高ぶるとイライラしストレスが溜まってきます。
春は風がよく吹きます。これが体に入り、悪影響を与えると「風邪(ふうじゃ)」となります。
「風邪(ふうじゃ)」はもともとは風ですから体の中で竜巻のようにぐるぐると回ります。
めまい、頭痛など、上半身に症状を起こします。
春の養生について古代中国の医学書「黄帝内経」では
「春の三ヶ月は、万物が古いものを推し開いて、新しいものを出す季節であり、
天地間の生気が発動して、ものみなすべてが生き生きと栄えてくる。
人々は少し遅く寝て少し早く起き、庭に出てゆったりと歩き、髪を解きほぐし、
体をのびやかにし、心持ちは活き活きと生気を充満させて、生まれたばかりの万物と同様にするがよい。」
と記されています。
そうはいうものの春は進学、就職、転勤など生活が変化し、うれしいことではありながら、
気ぜわしくバタバタし、疲れやすくなりますね。
そんな時、肝の経絡の大事なツボ 太衝にお灸をして見ませんか?
太衝はストレス、不眠、頭痛、めまい、目の疲れなどに効果があります。
お灸ができないときは就寝前にイタ気持ち良い強さで押してもよいですよ。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」411号(2020年3月5日発行)に掲載された記事です。
著者 ●鍼灸師 |
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