正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

*

がんを防ぐー大根ー

     - クスリになる食べ物

体力を維持するためには、まず内臓を丈夫にしておくことが必要ですが、大根にはこれに必要な成分がたくさん含まれています。根にはジャスターゼをはじめいろいろな消化酵素やビタミンC、食物繊維のリグニンなど内臓を整える成分が豊富です。

リグニンはガン細胞の遺伝子(DNA)を切断して、ガンの増殖を抑えるとされています。また、ジャスターゼ、グリコシダーゼ、オキシダーゼ、カタラーゼなどの酵素がたくさん含まれていますので、腸内の浄化作用、ひいては血液の浄化作用を促します。

最近では、葉つきの大根はあまり出回らなくなりましたが、葉にはビタミンA、C、カルシウム、カロチン、葉緑素など、体力や抵抗力をつけるための成分がたくさんあります。風邪でのどが痛いときには、昔から大根アメが効くといわれていますが、葉を水で煮つめた汁でうがいをしても、のどの痛みや炎症、咳止めに効果があります。このほか、大根には冷え性や貧血にも効果があるといわれます。

「焼魚に大根おろし」は栄養的に優れた食べ方です。何故かといいますと、タンパク質は350度以上の高い熱が加わりますと、アミノ酸の一種が熱分解されて発ガン物質に変質する可能性が大きいからです。大根おろしはそれを無毒化してくれるのです。

一本の大根でも、葉に近い方は辛みが弱く、真ん中は甘みが強く、先端は辛く水分も多くなっています。

大根は別名「すずしろ」といい、春の七草のひとつになっています。冬の代表的な根菜で、根の部分と葉の部分、それぞれに違った成分が含まれています。

保存食としてあるのが切り干し大根。カルシウム、鉄、ビタミンB群に優れていますので、骨粗鬆症の予防になります。美肌を保つ作用もありますので、ニンジンを加えた煮付けなど、頻繁に食べるようにすると良いでしょう。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」157号(1999年1月5日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。