レタス
レタスと名の付く野菜は多く、100種類以上あるといわれています。それぞれに歯ざわり、風味などに特徴がありますが、いずれもサラダ野菜として人気があります。
昔はチシャ(萵苣)といっていましたが、現在ではレタスが通り名です。キク科の越年草で、原産地は小アジア、コーカサス、イラン、トルキスタンなど。エジプトでは紀元前4500年ごろから利用されています。
古代のレタスは結球しないタイプで、玉レタスが登場したのは16世紀。中国に伝わったのは7~10世紀で、茎レタスが誕生しました。これが日本に伝わり、掻きチシャの名で広まりました。レタスはやわらかで、多少の苦味をおび、ほのかな香味があります。玉レタスが日本に紹介されたのは19世紀中ごろと明治の二回ありましたが、普及しませんでした。本格的に栽培が始まったのは第二次世界大戦後です。
古くからサラダ用として生食され、西ヨーロッパの肉食には不可欠とされています。古代ギリシャの歴史家ヘロドトスは、紀元前6世紀にはすでに、ペルシャ王たちの食卓に、レタスが供されたと伝えています。
1世紀ごろにはローマ人の間で、レタスを食べることが一般化していたといわれます。
ギリシャからイギリスに嫁いだ姫が、レタスを恋しがって、種子をわざわざイギリスに取り寄せたことが、ヨーロッパのレタス栽培の始まりといわれています。
レタスはビタミンA、B1、B2、Cを含み、ミネラルはカリウム、ナトリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄などを含有。特にマグネシウムと鉄を多く含んでいます。
マグネシウムは、筋肉組織や神経組織の新陳代謝を促すために必要な栄養素ですし、鉄分は貧血予防に欠かせません。レタスはリンゴ酸やクエン酸など、果物の成分にもある有機酸を含んでいます。また、レタスは鎮静作用、利尿作用、精神安定作用、体内浄化作用にも優れているといわれます。
2014年夏、「宮城県多賀市に、1日に約1万株のレタスを出荷できる世界最大規模の野菜工場が完成した」と報道され、稼働しています。
パリパリ感
好きでレタスと
フランスパン
高沢良一
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」442号(2022年10月5日発行)に掲載された記事です。
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