正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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ピーマン

     - クスリになる食べ物

ピーマンは南アメリカ原産でコロンブスがヨーロッパに持ち帰ったのが栽培の始まりといわれています。現在では、世界中で栽培されています。トウガラシの一つの変種で、ナス科の植物です。日本には、明治初年に、ポルトガル人によってもたらされたとされます。

ピーマンは若い果実を食用としていますが、家庭菜園で、この野菜を栽培された方なら、収穫し忘れて真っ赤なピーマンに出会う経験をされた方もおられることでしょう。真っ赤なピーマンには、カプサンチンという物質が多く含まれており、シミを防ぐ効果があるといわれます。

十数年前、メキシコで栽培されているピーマンの中に、突然変異で辛みをなくしたピーマンが見つかりました。これをきっかけに、近年、ある種苗会社が、苦みのないピーマンの品種を作り出しました。ピーマンには、ビタミンCやカロテンなどの健康に良い物質が多く含まれています。子どもたちに食べさせたい野菜の一つです。

ピーマンには、ビタミンPが含まれていて、Pは毛細血管を丈夫にする働きがありますので、高血圧に効用があるといわれています。また、ビタミンEが豊富です。Eは抗酸化ビタミンの一種で、とくに生体膜などの組織の脂質を酸化から守っています。この脂質の抗酸化作用によって、動脈硬化や高血圧症など多くの生活習慣病を予防し、細胞のガン化や老化を予防するとされています。

動物実験で、白血球数を増加させる作用がかなり強いことや、免疫力をアップする作用があることも確かめられ、これらの総合的な作用によるガン予防効果が期待されています。

ガンと食べ物の関係については世界的に多くの研究が行われていますが、これらの結果をもとに、アメリカの国立ガン研究所が作成したガン予防効果が期待できる食品リストには、ピーマンが重要度の中級のグループに位置付けられています。

また、ピーマンは療養効果が高い食べ物であることが確認され、高血圧や糖尿病・心臓病などの療養食によいとされています。生食もよいが、カロテンやEなどの脂溶性成分の吸収をよくするには、油を用いた炒め物やサラダがよいといわれます。

ピーマンの
中の空気は忘れもの 
能村研三

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この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」434号(2022年2月5日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。