正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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ゼンマイ

     - クスリになる食べ物

ゼンマイは、生活力の旺盛な、ゼンマイ科のシダ植物です。北海道から九州まで分布し、沢沿いや北斜面の湿気の多いところに、群落をつくっていることが多い。若い芽が銭のように円形に渦巻いているので、銭巻と呼ばれたのが語源だといわれています。

野菜・山菜博物事典によると、山形県境に近い山あいの村、新潟県岩船郡朝日村三面地区の村立三面第二小中学校では、ゼンマイ採りのため、十日間のゼンマイ休みをするとあります。五月中旬、家族とともに子供たちは、山の中のゼンマイ小屋に住んで働きます。大人が沢などから採ってくるゼンマイの綿毛をとり、大中小に選別したり、ドラム缶でゼンマイをゆでたあと、莚に広げて、手でもんだりするのは子供の仕事です。大人たちがゼンマイ採りに山へ入るのは朝四時か五時、子供たちも六時に起き、夜の九時、十時まで家族と一緒に夜なべをします。

もちろんランプの生活で、炊事は主として子供です。この地区のほとんどの家は、この期間中のゼンマイ採りによる収入が、年間の半分近くを占めるということですから、子供の労働力は、立派に役立っているということでした。今でも続いているのでしょうか?

道南の函館辺りでも、上等のゼンマイは雪崩常習地帯に出るものだそうで、地下足袋にアイゼンをつけ、岩角や蔓につかまりながら、それこそ命がけでゼンマイを集めるそうです。もともと山村の備荒食糧として採取されたためか、都会では軽視されがちでしたが、いまでは青干しなど、いぶり臭いところが魅力だなどと、高級料理の種にもされて、通の間でうけています。ゼンマイはアクが強いので、使うときは必ずアク抜きをします。

栄養成分としては、タンパク質、カロテン、ビタミンB群、カリウム、カルシウム、食物繊維などがあります。民間療法では貧血や利尿に乾燥させたゼンマイを煎じたものがよく使われます。

ぜんまいの
のの字ばかりの寂光土
川端茅舎

日高 一


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」247号(2006年7月5日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。