海の幸(一)
私たちの健康に役立つもので祖父母、両親、
古老たちから教えられてきたものは、「海」にもいっぱいあります。
宴会で酒を過ごして二日酔いで頭痛がひどいとき、
水を飲んでも時間がたたなければ治らない。
そんなとき、ハマグリを、焼くか吸い物にして食べると、ピタリと治ります。
結婚式には酒がつきものですから、ハマグリの吸い物が饗されます。
これは、飲みすぎて二日酔いにならないようにという意味が一つ。
もう一つは、ハマグリは二枚貝で、ちょうつがいを外して貝をバラして、
他の貝をあてがっても決して合わないということ。
何万もの他の貝を合体させようとしてもダメで、
はじめから組み合わさっていた貝だけしか合わない。
だから一生仲良くという意味がこめられているそうです。
イセエビは食べたらその殻をもらってきておくといいものです。
これを水洗いして紐でぶら下げて陰干しにしておきます。
小さい子供がはしかで熱を出したら干したイセエビの殻を粉にして鍋の中に入れて煎じて飲ませると一発で効きます。
マラリアに効くキニーネのような薬効があります。
四国や九州、三重の方ではいまでもイセエビの殻が軒にぶら下がっているのを見かけます。
(キニーネ=キナ‐アカネ科の常緑木‐の樹皮からとるアルカロイド。現在はインドネシアで大規模に栽培されている。)
マンボウは「海の病院」といわれ、他の魚が病気になると、
マンボウに寄り添うようにしてきます。するとマンボウは粘液を出してその魚を治してやります。
また、寄生虫のついた魚はヤスリみたいなマンボウの皮膚に体をこすりつけて虫をとっています。
熊野灘の方ではマンボウの脂をしぼってビンに入れて保存している家があります。火傷やキズの妙薬です。
北海道や東北で養殖されているホタテガイはタンパク質のかたまりといわれるくらいですが、
特に貝柱にホルモンが多く、重宝されています。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」193号(2002年1月5日発行)に掲載された記事です。
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