正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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水(一)

     - クスリになる食べ物

高血圧症や動脈硬化の進んでいる人にとって、朝方から正午までの時間は「魔の時間帯」といわれます。
なぜかといいますと、その時間帯には、血管をつまりやすくする条件がいくつも重なっているからです。
まず血圧。血圧は午前中に高く、夜中に低くなるというパターンがあります。
血液の粘稠性(ねんちゅうせい)も、朝方に強くなりやすくなりますので、血管をつまらせる可能性が高まります。
また就寝中、体の水分は、蒸発したり発汗したりして失われています。水分不足は、血液を粘りやすくします。
降圧剤を服用している人の場合、薬の効果が最も弱くなるのが朝方です。次の薬を飲むまでの時間は、血圧が高くなりがちです。
ですから「魔の時間帯」には、血栓ができやすく、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血などの発作を起こしやすくなります。

寝る前に飲む水のことを昔の人は、「宝水」といいました。宝といわれるのは、就寝中の水分不足を防いで、
朝方に高まる血液のネバネバをゆるやかにして、発作から身を守るので、それだけ価値のある水ということでしょう。
寝る前に水分を摂ると、夜中にトイレに行きたくなるので飲まないという人もいますが、「魔の時間帯」に血液をドロドロにしないためには、ぜひ飲むことをおすすめします。
また、就寝前に水を飲む飲まないにかかわらず、夜中にトイレに起きた場合、オシッコで出した分を補うつもりで水を飲んでから布団に戻るようにしたらよいと思います。
体の水分は、常に一定に保たれるようになっていて、汗やオシッコなどで大量に排出されると、その分、補給する必要があります。
長生きしている方は、朝起きると梅干をなめながら、朝茶を飲む習慣を身につけている場合が少なくありません。
朝いちばんに水を体の中に取り込むことによって、脳や心臓に発生しやすい異常を防いでいるのです。

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この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」186号(2001年6月5日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。