正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

*

     - クスリになる食べ物

キノコは形や色も多様です。毒キノコもあります。
英語では食用茸をマッシュルーム、有毒茸をトードストゥールと呼んで区別しています。
茸の特有の香りは高級アルコールを含んでいるからですが、
そのせいでキノコは根菜類や葉菜と違った風味を持っています。
紫外線に当てるとビタミンDに変わるエルゴステリンや、
ほかにオキシダーゼやジアスターゼなどの酵素も含んでいますし、
栄養価は高く、乾燥させると便利な保存食になります。

栽培量の多いのはシイタケで、日本料理にも中華料理にも欠かせない素材です。
シイタケは、北海道から九州、アジア一帯に広く分布する担子菌類のキシメジ科の茸です。
山林のナラ、ミズナラ、シイ、クリ、カシなどの広葉樹の枯れ木や
切り株などに春と秋、高山では夏にも発生します。
最近は人工栽培の技術が進んで、年間を通して入手できるようになりました。

シイタケには抗ガン作用のあるレンチナンが含まれています。
レンチナンは糖類の一種で、抗ガン性や免疫向上作用が確認され、
静脈注射用として医療用の抗ガン剤や免疫増強剤として認可されています。
レンチナンには抗ウイルス性や抗菌性などの作用も報告されています。
ビタミンDは体内のカルシウム代謝に関する重要な作用をするビタミンで、
一定量を食べ物から摂る必要があります。
食事から摂ったカルシウムは小腸でDの助けによって吸収が促進されます。
また、骨の形成にはカルシウムとともにDが必要です。

シイタケのDを増やすには、食べる前に1~2時間紫外線に当てるとよい。
生シイタケでも、機械乾燥の干しシイタケでも有効です。
干し方は、裏の白いほうを上にすると効率が良いといわれています。
シイタケは古くから薬用植物として用いられてきました。
シイタケに期待されているいろいろな生理作用は、
食物繊維やビタミン・ミネラルなどの栄養効果と、
レンチナンやグルカン(ブドウ糖がいくつも連なって構成される多糖類・食物繊維)などの
薬理効果の総合作用と考えられます。

椎茸の榾木も売られ朝の市
田中薙子


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」418号(2020年10月5日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。