マグロ
マグロは、大型でポピュラーな魚なので、マグロ科という魚があるのではないかと思いがちですが、
そうではなく、マグロはサバ科マグロ属に分類されたものの総称です。
クロマグロ(本マグロ)、ミナミマグロ(インドマグロ)、
メバチ、キハダ、コシナガ、ビンナガの6種類がいます。
日本で獲れるマグロは台湾東方の海が産卵場で、そこから出発して、
春から夏にかけて日本の沿岸を北上し、10月ごろに南の海を経てアメリカ西海岸に接近しますが、
赤道沿いに産卵場に戻るといった回遊パターンを繰り返しているそうです。
一回に最高で4000粒の浮性卵を産みますが、
そのうち親に成長できるのはたったの1匹か2匹という厳しさです。
マグロの中のマグロは、クロマグロといわれますが、
大物になると体長も3メートルを超え、体重は400キロを超えるものもいます。
この位になると遠洋の冷凍物でも1本数百万円の値段で取引されていますので、
近海の生の大物は、それこそ高級車が1台買えるほどの値がつきます。
何でこんなに高くなってしまったのかといいますと、
日本が金にあかせて世界中のマグロを買いあさったり、
世界中の海に出漁して取りまくった結果、資源の枯渇を招いてしまったからです。
マグロの刺身の美味しさは、この頃はトロ一点張りという人が多いようですが、
かつては赤身がもてはやされたものです。
私なんかは、いまでも相も変らず赤身三昧です。
トロは内臓を包んでいる腹身のところで、冬の旬を迎えると
脂がのって滑らかな舌触りが歓迎されるようです。
最近、マグロには動脈硬化や心筋梗塞を防ぐセレンやEPA(エイコサペンタエン酸)、
DHA(ドコサヘキサエン酸)が多量に含まれガンやボケ、アレルギー、
視力を高める作用など多彩な薬効のあることが確かめられています。
また、過酸化物質の生成をとめる酵素の
グルタチオン・ペルオキシダ―ゼが含まれていることもわかっています。
この酵素はビタミンEの50倍から100倍の効果をもつといわれています。
もちろんビタミンEも豊富ですから成人病を予防し、生殖器官の機能も強めますので
中高年齢者は大いにマグロを食べ、いつまでも若くあってほしいと思います。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」199号(2002年7月5日発行)に掲載された記事です。
著者 |
|
略歴 |