正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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エールを

なかなか収束がみえないコロナ感染症。
ここでの話題を「コロナ」以外にしたいと思いながらも、
どうしてもコロナに結びついてしまいます。蝕まれていると感じています。
私の生活の中では大きな変化のひとつに、NHKの朝ドラ「エール」を見る習慣ができたことがありました。
すでに最終回を迎えましたが、BS放送で7時半に見て、8時から地デジで見、
さらには23時にBS再放送を見る、という今までに考えられないほど、はまりました。
なぜなのか、自分なりに分析しました。

古関裕而夫妻をモデルとした、戦前戦後、昭和の時代に音楽と生きた物語。
主人公夫婦も、周りを支える登場人物も、その時々に置かれた状況で、
さらには先の見えない状況の中でも、精いっぱいの努力で前に進む。
それも思いをストレートに表現するのではなく、表情や言葉選びで遠回しに表現する。
まじめで恥ずかしがり屋の主人公が、才能があるのに、朴訥で人の好さがにじみ出る。
優等生的でも説教臭くもない物語でした。
そこに音楽が加わる。出演俳優の劇中での歌が良い。歌によって、物語が展開していく。
その歌をまた聞きたいと思い、何度も見たのだと思います。音楽の力をあらためて感じました。
これが、コロナの中の今にあったものとなったのでしょう。

来年のオリンピックの開催も疑わしいけれど、開催されるなら、と期待の持てるものでもありました。
視聴者に向けてのエールが出演した人の頑張りとシンクロし、私も頑張ろうと思えたのかもしれません。
「栄冠は君に輝く」はもともと好きな歌でしたが、
山崎育三郎さんが球場で歌ったのには、鳥肌が立ちました。
その日の再放送は、録画までしてしまいました。歌の力はすごいです。
まあ、最終回前の「闘魂こめて」には、
鉄男くんが「これ、盛り上がるよ。これで巨人は無敵だ」なんて言っていましたが、
この時ばかりは、「いやいや、ソフトバンクが無敵だよ」と突っ込んだ私でした。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」420号(2020年12月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。