正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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うつ病という病気

うつ病は何らかの原因で気分が落ち込み、生きるエネルギーが乏しくなり、その結果、身体のあちこちに不調があらわれる病気です。現在は誰もが複雑で多くのストレスを持っていますので、誰もがうつ病に無関係とはいえません。今や日本人の五人にひとりが、一生のうちで一度はうつ病を経験すると言われています。しかし、そのなかでも特に次のような人がストレスにさらされた上、異なる環境におかれるとうつ病になりやすいようです。・真面目で仕事熱心、・完全主義で几帳面、・仕事や家事を人任せにできない、・融通が利かない、・人にどう見られているか非常に気になる。また、そのうち治療を受けている人はわずかであることが問題です。

うつ病は精神面、身体面にさまざまな症状が現れます。最近では症状の程度と持続時間による分類がなされます。重症の「大うつ病」と軽症の「うつ病」とに分けられます。

以前は、うつ病になると外出できず、何もできなくなるという方が大半でした。しかし、現在は辛いけれども社会でなんとか仕事をこなしながら、軽いうつ状態が二年三年も続くといったタイプの方が増えています。誰もが経験する「単なる気分の落ち込み」と「うつ病」の症状は似ています。これを見分ける目安は、「気分の落ち込み」やそれによる不調が2週間以上続くこと、仕事や日常生活に支障が出てくること、原因が特定されない身体症状が出ることなどです。

うつ病の知識が広まってきたとはいえ、軽いうつに悩む人たちは普通にみえるために「単なる甘え」と誤解されたり、本人が病気と気がつかず、適切な治療を受けないでいたりする場合も少なくないようです。

うつ病の人に、頑張ってと励ますことはよくありません。休養をすすめましょう。心の症状で受診することが特別の時代ではありません。うつ病は治る病気です。正しい知識を身につけ、適切な治療を受けましょう。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」226号(2004年10月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。