正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

*

コロナ禍の夏バテからの回復に

コロナ禍のマスク生活と、今年の夏の厳しさで、かつてない夏バテになっているかたはいませんか。夏バテの症状は、新型コロナの感染か、熱中症なのか、あるいは胃腸炎なのか、その症状はどれも似ていて、わからずに不安になることもあるでしょう。

そんな時は医療機関にかかることが必要ですが、治った後の家でも自分でできる回復をすすめる方法はしっかり身体をケアしていくこと。元気な姿を取り戻す早道です。ここでは、自宅でできる夏バテ回復術をご紹介いたします。

その1:水分補給

ふらつきやめまい、さらには頭痛のときは、脱水症状の可能性があります。こまめな水分補給が必要です。汗をかいていないと思っても、寝ているときでも脱水症状が起こることはあります。起きているときは30分おきに、入浴前に、寝る前にも意識して水分摂取をしてください。おすすめはスポーツドリンクです。汗を流した体には塩分が必要ですし、糖分はエネルギーになります。ただし、塩分と糖分が多いので、薄めて飲んだり、麦茶などと交互に飲んだりする工夫が必要です。

その2:ストレッチなど、体を動かすこと

身体のだるさや食欲が落ちたと感じたときは、家の中でもできる軽い運動をしてみましょう。ストレッチで十分です。心地よい程度でゆっくりとです。ゆっくりとしたストレッチは、深い呼吸もしやすくなります。軽い運動をすることで疲れが解消されることが期待できます。

その3:室内温度を調整する

室内と屋外の気温差を5℃以内にすると、自律神経がスムーズに働くようになると言われています。今年の夏の暑さからは、5℃以内というのは厳しかったと思いますが、27℃の設定が良いようです。もちろん、風が直接体に当たらないようにすることも大切です。

新型コロナ感染症対策の頑張りも、もう少しと思います。この感染症対策で、インフルエンザに感染した人を減らしています。うがい手洗いの効果の大きさを感じます。

 


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」441号(2022年9月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。