正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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季節の変わり目

季節の変わり目には、風邪をひきやすい。良く聞く言葉です。実際、まわりに風邪をひいている人は少なくないかもしれません。最近の朝晩の冷え込みは強く、それに引きかえ、日中はずいぶん暖かになります。温度差の激しさは、今日は何を着ていけばよいのだろうと、悩ませます。情けないことに私は、温度差の激しい季節の変わり目に、毎年あたりまえのように風邪をひくのでした。

しかし、考えてみれば、おかしな話です。体感温度で着るものを選ぶのではなく、暦で選んでいるのかもしれません。寒いけれど、九月だからコートはまだ早いかしら、十月までまとうかな。そんなおかしなやせ我慢で、結局は風邪をひく。毎年懲りずに繰り返すのでした。

とはいえ、夏から秋・冬にかけては、夏の疲れが残るとき。気温や湿度、気圧の変化によって体調はくずしやすくなります。寒い季節を快適に過ごすためには、早めの対策が必要です。また、病気は環境や生活習慣である程度予防できます。運動や栄養摂取、休養、睡眠などが乱れていないか考えて、自分にとってのバランスのとれた生活が大事です。

バランスのとれた生活は人によって異なります。単に規則正しい生活をしていれば、大丈夫というものではありません。自分にとって、大切なもの、仕事や遊びの時間と休養を考えるということです。秋は実りのよい季節です。情緒が豊かになり、思考力も高まる。心身の状態を調整し安定させるのに最適な時です。新たに自分にあった趣味やスポーツなどをみつけるのも良いでしょう。

夢中になるものをみつけ、気分転換をはかる。体を動かし、おいしいものを食べる。そして、睡眠や休養を確保する。これが少々くたびれた季節の変わり目の対策になるでしょう。そして、決して冷やさない。身体を暖かく保つことが、心身共に重要なことです。今年の秋はおいしく、暖かに過ごしましょう。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」274号(2008年10月6日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。