普通のことを当たり前に
「どんなときに健康だと感じるか?」
年配の方たちに話を伺う機会がありました。積極的にボランティア活動をされている方の多い、健康の超エリート集団でしたので、一般的なこととはいえないかもしれません。それでも、「なるほど!わかる、わかる」と思うことでした。
健康だと感じるとき。よく眠っておいしく食べられる時、好きな時に好きなように歩ける時、地下鉄の階段を昇ろうと思える時、自分で決めたスケジュールをこなせる時、大きな声が出せるとき、趣味に積極的に参加できる時、若い人とおしゃべりできた時、出かけた先で待っている人がいる時、期待されていると感じる時、ラジオを聞いて夜更かしした時、ちょっとおしゃれができた時、ときめいた時、弱った人と比較した時。
みなさん他の方の話を、うなずきながら聞いていらっしゃいました。共通して話されていたことは、「こんな日常の普通のことが、普通に当たり前にできること」でした。
私たちは、普通のことや当たり前のことには、なかなか気がつきません。病気や障害を持ってはじめて、当たり前のことができるありがたさに気がつきます。できなくなったことを悔み、弱くなった自分を感じます。
今回、お話してくださった方たちの強いところは、当たり前で普通だから何もしていないのではないことです。積極的に努力されていました。たとえば、運動もウォーキングもひとりでは続けることが難しいので、サークルに入る、あるいは、お友達と一緒にする。ぐっすり眠るために、疲れるほどの運動をする。落ち込んだ時にちょっとぜいたくな好物を用意しておく。おいしく食事をいただくために、作ってくれる人の話をよく聞き、感想と感謝を伝える。
そして最後は、自分の身体は自分で守る覚悟をする。そのため、必要な情報は集めるけれど、決して鵜呑みにはしない。試してみる。確認する。これらを実践している人には、かなわないと思いました。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」303号(2011年3月5日発行)に掲載された記事です。
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