正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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新年度に

いよいよ新年度。進学や就職、異動や転勤など新しい環境でスタートする方も多いと思います。そんなとき、気をつけたいのが身だしなみです。

「人は見た目が9割(竹内一郎著)」という本もありますが、人は第一印象を見た目で判断することがほとんどです。これは心理学の実験でも証明されています。もちろん、「中身」が重要であることは前提ですが、見た目が悪い(不潔・だらしないなど身だしなみ)場合には、その人がいくら素晴らしい中身を持っていたとしても、その素晴らしさを感じる機会が確率的に低くなるというわけです。

お化粧で与える印象も、フルメイクよりはナチュラルメイクが好感を持たれるようです。しかしノーメイクの場合は、不健康な印象や消極的な印象を持つ人が多い結果がありますので、お化粧もやり方次第です。新たな出会いの時に、スムーズな人間関係を作るためには、身だしなみを整えるのは大切なことです。

相手に与える印象だけではなく、身だしなみを整えることは、自分の意欲や行動にも影響を与えます。確かに、好きな色のものや新しい洋服を身につけると良い気分で仕事ができることはありますよね。お気に入りのペンやパソコンなども、仕事に対する構えを変えてくれることがあります。

私たちは形から入りやすいものです。制服は気持ちをしゃんとさせ、お気に入りのドレスは華やかな気分にさせてくれます。場所にあった服を選ぶと、言葉づかいも動きも無意識にかわっているかもしれません。新しいゴルフクラブやラケットを手にすると、練習もしたくなりますし、上手になった気分にもなります。

新年度のスタートにあたり、身だしなみを整えて、持物を見直すことをしてみませんか。思い切ったことをしようとするならば、形を整え、エイヤアーっと踏み出すことがうまくいくことにつながるかもしれません。もちろん、中身が一番大切ですが。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」316号(2012年4月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。