ビタミンDの力
骨にはカルシウムが大切ですが、カルシウムを十分に食べておけば、骨は大丈夫というものではありません。カルシウムを吸収するためには、ビタミンDが必要となります。いくらカルシウムを食べても、ビタミンDが足りなければ、吸収されないのです。
ビタミンDが極端に不足すると、骨軟化症という状態になります。成長期のお子さんがビタミンD欠乏になると深刻です。ひどいO脚、成長障害、歩行障害になってしまいます。妊娠中のお母さんの紫外線対策が、赤ちゃんに影響することもあるようです。
大人の場合は、骨密度がスカスカになる骨粗しょう症になったり、骨折しやすくなります。筋肉や神経が正常に働くためにもビタミンDは必要です。また、がんを抑制するとも言われています。
ところが、日本人の半数以上はビタミンDが不足しています。「ビタミン」は人体で合成できない栄養素につけられた名前です。しかし、ビタミンDを作ることができます。皮膚で作られるのです。皮膚がビタミンDを作るためには、紫外線の力が必要です。紫外線に当たらないとほとんど作られないのです。
一般的に、晴れた日に顔とひじから先の腕を15分直射日光に当てるだけで、ビタミンDが合成されると考えられています。この程度の紫外線では、皮膚がんの心配はほとんどありません。けれど、緯度の高い札幌の冬では、1時間以上の日光浴をしないとビタミンDはできません。少し赤味が出る程度にあたる必要があります。
それでも、紫外線によるシミやしわも気になるところです。日焼け止めクリームを塗ると90%以上ブロックされてしまいます。日光を浴び過ぎると皮膚がんの可能性もあります。過度の日焼けは良くありませんが、過度の紫外線対策も良くないのです。
食べ物だけで、ビタミンDを充足させるのはかなり難しいものです。鮭やきくらげ、チーズ、レバーなどには含まれていますが、お日様の力にはかないません。お肌のお手入れをしながらの日光浴が良いようです。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」336号(2013年12月5日発行)に掲載された記事です。
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