正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

*

今年を乗り切る『やる気スイッチ』

いよいよ12月。やり残したことを終わらせて、すっきり新しい年を迎えることはできるでしょうか。わかっていても、なかなかできない。やる気の出ないことは、珍しくありません。学習塾のコマーシャルにありますが、私のやる気スイッチはいつ入るのだろう、なんて思います。

やる気スイッチは脳にあります。脳の栄養、エネルギー源を効率よく摂取すると、脳は活性化されます。なので、食べ物や飲み物で、やる気スイッチを入れることができるのです。

スイッチを入れるエネルギー源はブドウ糖と酸素です。この2つによって脳は活性化します。ただし、そのためには、「体温を上げること」、「血糖値を適切にコントロールすること」、「酸素をとること」が必要です。そうするとことで、活動しやすい環境が整います。

たとえば、冷たいものを避け、温かい食事を摂ることは身体が温まることに直結します。それだけではなく、身体を温める成分であるたんぱく質の多い食事を摂ることも大切です。

逆にやる気をダウンさせる食べ物もあります。ファーストフードやインスタント食品など、添加物を多く含むものがそうです。摂り続けると、ビタミンやミネラル不足になります。脳の活性化に必要なブドウ糖ですが、糖分の多いものを大量に取ると逆効果です。糖分を消化してエネルギーに変えるビタミンBの不足になるからです。

脳のエネルギーは貯めておくことができないので、常に補強する必要があります。そのため、朝食抜きはよくありません。ブドウ糖はでんぷん質や糖質によって補われます。ところが、パンやご飯などの消化には2時間かかります。集中したい時の2時間前くらいに食べておくのが良いと言われるのは、この理由からです。短時間でブドウ糖を摂取するには、フルーツがお勧めです。バナナや、りんごはブドウ糖を効率的に吸収してくれます。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」360号(2015年12月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。