正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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統合医療とは何だろうか? 第43回

     - 統合医療

さて、今回から、ケリー・ターナーによるがんが自然に治癒する9つの法則について解説をしてまいります。

まず最初は、抜本的に食事を変える、です。これに関しては、この連載のなかで何度も繰り返しお話をしておりますので、要点のみお伝えしましょう。ケリー・ターナーが進める食事の基本は、

「砂糖、肉、乳製品、精製した食品を大幅に減らすか、まったく摂取しない。野菜と果物を大幅に増やす。有機食品を食べる。浄水器の水を飲む。」です。

がん細胞は正常細胞の5-10倍のブドウ糖を消費します。つまり、がんは甘いもの(ブドウ糖)を栄養源として増殖する(この原理を応用したがんの画像診断がPETです)のですから、甘いものの摂り過ぎは当然よくないわけです。糖は白砂糖ではなく、野菜や果物の持つ天然のブドウ糖や、黒砂糖などを摂取するとよいでしょう。

そして、以前に詳しく解説したとおり(第3回38回参照)、肉、乳製品の摂り過ぎもがんの原因となります。一例をあげると、牛乳に含まれるカゼインというたんぱく質はがん細胞の成長を促進させます。

食品添加物や農薬を使用した食材ももちろん体によいわけがありません。精製した食品(つまり、白米や白い食パン、化学合成した塩など)も栄養価は低く、白っぽい食品は体を冷やして免疫力を低下させるのでいけません。逆に、未精製穀物(玄米や全粒粉の小麦など)はがんの発育を抑制するといわれています。

野菜や果物に抗がん作用があることは、アメリカで発表されたデザイナーズフーズでも強調されているように、非常に多数のエビデンスがあります。

浄水器の水は、わたしはアルカリイオン水と考えています。健康な人の体の血液が弱アルカリ性であることは皆様ご存じのことと思います。アルカリ還元された水を飲むことは、血液の酸化に伴う体の障害を回復させます。そして、アルカリイオン水は、私も毎日飲んでいますが、水道水に比べると非常においしい水です。お料理に使用すると味が格段によくなります。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」360号(2015年12月5日発行)に掲載された記事です。

著者
小井戸 一光
医療法人 札幌がんフォレスト
癒しの森内科・消化器内科クリニック 院長

医療法人札幌がんフォレスト 癒しの森内科・消化器内科クリニック

略歴
1977年、北海道大学医学部卒業。北大第3内科入局、臨床研修を受ける。

1982 年より自治医科大学放射線科で超音波を含む画像診断や、画像を用いておこなうがん治療(IVR)に従事。

1985年より札幌厚生病院消化器内科医長。消化器疾患の診断と内視鏡・IVR治療をおこなう。

1996年より札幌医科大学放射線科助手。消化器疾患の画像診断、がんの非手術的治療の研究に従事。1999年講師、2007年准教授。この間、イギリス王立マースデン病院、ドイツアーヘン大学、カナダカルガリー大学に出向。

認定資格
日本内科学会認定内科医、日本消化器病学会専門医、日本内視鏡学会専門医・指導医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本超音波学会専門医・指導医、医学博士