正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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頭痛と腰痛

頭が痛い時に、腰が痛くて動けなくなる。なんてことはありませんか。人の体はつながっていますので、離れた場所でも無関係ではありません。

腰痛と同時に起きる頭痛の場合、腰や背中の筋肉の緊張が原因の可能性が高いです。腰のハリや肩こりと一緒に、ぎゅーっとしめつけられるように頭が痛くなるものです。圧迫感や重い感じがだらだらと続きます。目の痛みを伴う場合もあります。

原因は筋肉の緊張によるものです。普段の姿勢の悪さ、脊柱のゆがみ、先にも触れた首や肩のコリ、目の疲れ、ストレス、歯の噛み合わせからくる場合もあります。気温の変化の大きい時も要注意です。座りっぱなしの姿勢を続けて、腰が痛いと思ったら、頭まで痛くなる経験がありませんか。

予防としては、原因となる筋肉の緊張を解消すること、起こさないようにすることです。普段から姿勢を正しくすることは、とても大切なことです。枕の高さも大切です。痛くなったら、入浴や、こっている部分をホットパックなどで温めることも効果があります。

腰が重たくなってだるさから始まる腰痛は、腰を支える筋肉や靭帯などが慢性的な疲労と緊張感から起こるといわれています。この場合には、背骨の横にある筋肉が硬く張っていることが多いです。

慢性的な腰の疲労は、姿勢の悪さ・長時間の車の運転・長時間のデスクワークといった日常生活の中に腰の疲労となる原因があります。どんなに腰が痛くても、この場合は検査をしても、骨には異常が見られませんが本人はとにかく腰の痛みを感じます。

そして、慢性的な疲労が原因の腰の痛みの場合には、腰痛を繰り返してしまうことが多いです。これも、長時間同じ姿勢をとることが原因になっているので、30分~1時間ごとに胸を開くようなストレッチ、猫背のような前屈姿勢を解放してあげることが必要になります。適度なストレッチをとることで、背骨にも良い影響になり、腰への負担を軽減することができます。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」379号(2017年7月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。