正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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夏バテ対策

新たな環境に慣れ始めたころ、私の天敵の暑さがやってきました。加えて、恐ろしい雷と湿度の高さにやられるのでした。きれいに広がるイナビカリを「きれい」と鑑賞する気分にはなれません。光るたびに飛び上がります。

暑い中、連呼すると叱られそうですが、とにかく暑い。家の中でもエアコンのタイマーが切れると同時に目が覚める。エアコンのリモコンが離せなくなる。食事をとって、汗をかく。外に出ると、滝の汗が流れる。これが夏だということを知りました。

エアコンの効いた室内と外との温度差に体がうまく対処できない状態になりがちです。いわゆる、自律神経失調状態が起こります。これが夏バテを悪化させている一つと考えられます。実は私も駅まで歩いたのちに乗車した新幹線のエアコンにやられ、風邪をひきました。夏バテに夏風邪、寝込んで動かなかったため、腰痛になりました。

夏バテ予防は食事と睡眠が大切です。その睡眠を確保するために、エアコン対策は重要です。エアコンの効いた室内と暑い外を行き来すると身体はその変化についていけません。5度以上の気温差には身体の温度調節機構が働かないのです。そのため、エアコンの設定温度は28度ほどが適温と言われている理由です。

電車や公共機関のエアコンはどうしようもありません。会社や学校の温度設定もなかなか自分一人では変えられない。羽織物が1枚必要になります。面倒でも、こまめに脱ぎ着することです。

湿度の調整も大切です。湿度が低いと涼しく感じます。除湿対策が効果的です。さらに、扇風機などの風は有効です。直接体に風を当てないよう天井に向けるのが良いと言われています。

そして、全身を冷やさなくても、頭が冷えるとそれだけで涼しく感じます。風邪用の頭を冷やすシートを首筋に貼るのもよいでしょう。私はスカートのポケットに保冷剤をいれています。太ももの血管を冷やすことになりますので、効果的。お試しあれ。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」404号(2019年8月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。