正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

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腰痛から身を守る

人間の動きは腰がかなめとなっています。
重い物を持ち上げるということでなくても、私たちは日常生活において、腰に大きな負担をかけています。
立つこと、座ること、歩くこと、しゃがむこと、寝ること、すべてにおいてです。
腰痛から身を守るためには、日頃から身体を鍛えておくことが大切です。
ですが、そう頑張らなくてもちょっとしたことで腰の負担を軽くすることができます。

まず、姿勢についてです。
いつもの自分のとっている姿勢より、ちょっと頭を上げてみます。
それから顎を引きます。次におなかも引っ込めてみます。そうすると背中がまっすぐになります。
毎日思い出したときにでも、これだけ気をつけていると、腹筋や背筋も鍛えられます。
次に忘れないでいただきたいことは、適度の運動すること。
ただ運動するだけではなく、気楽に振る舞うこと、苦痛になる前に活動をやめること、
そして、大切なのは活動を楽しむことです。
3つ目に、自分の体重を監視すること。これはなかなか難しいかもしれません。
ですが、バランスのとれたダイエットをすること、果物と野菜の量を増やすこと、
決して一時的なダイエットはしないこと、これだけを気にかけることからスタートします。

毎日これらのことを気にかけることにより、身体は伸ばされ、身体はしなやかになり、
そしてくつろぐことによって、疲労と緊張から解放されることになります。
日常の動作は手を使うことが多いです。お皿を洗うときは手に食器を持ちますし、
車を運転するときはその手でハンドルを握ります。モノを持つために首や腰を曲げると、
身体のあちこちによけいな負担がかかります。
腕や手、膝がこわばり、最後に腰にストレスが加わるのです。
時にリラックスして、腰を解放してあげましょう。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」201号(2002年9月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。