正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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インフルエンザが流行っています

インフルエンザにかかりやすい人の傾向の5つの特徴が明らかにされました。弘前大学による研究です。大規模な健康診断のデータ解析により出てきた結果です。わかったことは、インフルエンザにかかりやすい人は、①高血糖であること、②肺炎にかかったことがあること、③多忙もしくは睡眠不足のあること、④栄養不良、⑤アレルギー、この5つの特徴を持っていることです。

これまで、インフルエンザになりやすい人の生物学的要因、あるいは環境からの要因は研究されてきました。これらの複雑な関係を全体的に見て分析した研究は初めてです。弘前大学の研究グループでは、3000項目以上の健康に関するデータ、例えば血液検査、生活習慣、職業、既往歴、体組成などですが、その中からインフルエンザに関わる165項目を選んで解析し、インフルエンザになりやすい特徴パターンを明らかにしたのです。

インフルエンザの感染は、感染者のくしゃみや咳などの「飛沫感染」と感染者の触ったものに触れてウイルスのついたところを触った「接触感染」があります。予防には、この感染経路に注意することが大切です。私たちは毎日いろんなものに触ります。手にもウイルスが付く可能性は大きいものです。ウイルスが付いても身体の中に入れないこと。しっかり手洗いすることです。ワクチン接種は、インフルエンザにかかることを減らし、かかっても重症化することを防ぐ効果が期待できます。

それでも、インフルエンザかな?と思った時には、睡眠を十分にとることです。高い熱が出ますので脱水を予防するために、こまめに水分補給が必要です。もちろん、高熱が続き、呼吸が苦しい時は早めに病院へ行くことをお勧めします。インフルエンザは子どもや高齢者、高血糖の人などは重症化する恐れがあります。肺炎もそのひとつです。また、免疫系の反応が過剰になり、脳に炎症を起こし意識障害やけいれんなどを引き起こす場合もありますので、要注意です。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」480号(2025年12月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。