正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

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寿命を延ばす運動

長生きするためには、適度な身体運動と精神活動が不可欠です。
けれど、スポーツ選手が長生きかというと、決してそうとはいえないようです。
スキー選手は長命傾向が認められていますが、「スポーツ選手短命説」があるほどです。
スポーツ選手の体型やトレーニングの強度との関係が言われています。
スポーツ選手ではない私たちにとって、長生きするために必要なことは何か、考えてみます。
運動不足によって引き起こされる病気には、
心臓血管系の問題、たとえば心疾患、高血圧などがあります。
代謝系では糖尿病や痛風です。筋肉系では、腰痛や肩こりなどです。
このうち、命に関わるものは心臓血管系と代謝系の病気です。
これらの病気に有効と言われているのは全身運動です。
全身運動は運動に使われる筋が多く、心肺機能の活動水準が高められます。
持久力アップのトレーニングによる効果は心拍数に現れます。
1回の心臓の収縮によって送り出される血液量が増加すると、筋肉への血液量を多くし、
活動筋の酸素供給を高めます。寿命を延ばすことが期待できる運動とは、持久的運動といえます。

お手軽な持久的運動としては、歩行があります。いつでも、どこでも、
誰でもできる「歩行」を1日30分以上行うことが目標です。
時間的に余裕のない人にも、通勤時の歩行を努めて行う。階段を利用するといった工夫ができるかもしれません。
寿命という総合的な体力の指標に良い影響を与えるのは、
人生を通じてどんな運動をどの程度行ってきたのかが大切です。
そのためには、長く続けられる運動を生活の中に取り入れて、それを習慣化していくことです。
人生をたとえて、「太く短く生きる」とか、「細く長く生きる」といいます。
理想でいうと「太く長く生きる」と言うことになりますでしょうか。
老いてますます元気になる、健やかな老後を送るために、少し運動を続けてみますか。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」207号(2003年3月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。