正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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見えるということ

周囲で白内障の手術をする人が増えています。術後は皆、目の前が明るくなったことを嬉しそうに話してくれます。私もそろそろかしら、と思いながら聞いています。

そもそも、目の寿命は60年から70年だそうです。加えて、スマホやPCを見たり、姿勢が悪かったり、目をこすったり。これらはどれも目に悪い習慣です。

QOLを大きく左右する「見る力」。見えにくくなると足元がおぼつかないため、でかけることが億劫になり、体力や認知機能の低下につながることも考えられます。「目の寿命」は全身の健康につながるようです。私たちが外とつながるときの情報は、目からが7割と言われています。外界からの情報の多くが得られなくなってしまうと、外出が嫌になったり、テレビを見てもつまらなくなったり、体力の低下や気分の低下につながる可能性を持ちます。

活字を読むと目が疲れる、光が眩しい、手元が見えにくい、といった不調を感じることはありませんか?身体機能が低下した状態を「フレイル」と言います。これは目の機能が衰えた状態にも言えます。目のフレイル状態です。

目のフレイルの主な原因は、加齢に伴う眼球の水晶体や角膜・網膜の変化、ピント調節機能の衰えがあります。そのほか、糖尿病や高血圧、眼の病気、紫外線によるダメージなども原因になります。気になるときは、早めに眼科の受診をお勧めします。目の病気は進行が遅いため、気づきにくいのが特徴です。早めに手を打てば進行を緩やかにし、目の寿命を延ばすことができます。

また、自分でできることは「積極的に目を休める」です。簡単なのは温めたタオルを目にのせてみてください。血行が促進されて、見えにくさが軽減されます。テレビを観るときや読書などのときは、1時間に1~2分は目を閉じるようにしましょう。また、窓から遠くの景色を眺めるのも緊張がほぐれます。窓がない場合は、少し先、5m先の時計やカレンダーなどを見つめるのも効果的です。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」482号(2026年2月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。