正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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蟄 虫 啓 戸(すごもりのむしとをひらく)

     - 鍼灸治療

3月です。この時期に我が家にはワラジムシがモゾモゾとあらわれることがあります。

調べてみますとワラジムシは家の床下などで越冬することがあるそうです。衛生上、特に問題はなく“不快害虫”というカテゴリーなのですね。

いにしえの人々は太陽の動きに合わせて1年を二十四の節気に分けて農作業や日々の暮らしの参考にしていました。ワラジムシが現れるのは二十四節気の啓蟄の頃です。“啓”は「ひらく」“蟄”は「土中で冬ごもりしている虫」の意味で大地が温まり春の訪れを感じて虫が土中から出てくるという時期をさしています。なるほど、現代でも3月上旬になるとワラジムシも春を感じるのかと思えば苦手なワラジムシもかわいく見えなくもない・・・・。

鈴木真砂女の俳句に

啓蟄や
いつかほぐれし肩の凝り

という句があります。寒くて肩をすくめ、前屈みで暮らしていたのが少しずつ暖かくなり知らず知らずのうちに姿勢もゆったりと変わり、ふと気づくと肩のコリも無くなっていたというのはとてもよくわかりますね。約15日間の啓蟄がすぎると春分となります。

いよいよ、春ですね。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」387号(2018年3月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。