キス
徳川時代の将軍のメニューを見ると家康からの食習慣として
朝食のときに焼いたキス2尾、煮たキス2尾、都合4尾食べています。
キスという字は魚偏に喜ぶと書くように、縁起のよい魚と思われていたからでしょう。
キスは上品で淡白な味が、人気の一因となっています。
脂質分は約1%で少ないが、タンパク質を約20%も含んでいるので、タンパク質源となります。
淡白な味なので病人食の材料として向いています。
リジン、グルタミン酸などアミノ酸の釣り合いも程々です。
刺身、寿司だね、塩焼き、フライ、天ぷら、椀だね、一塩の引き干しが美味。
三枚におろし、皮をむいて、塩水で洗ってから糸造りにすると、
食塩によってうま味が引き立ち、身が締まって美味しい刺身となります。
刺身には、25㎝位のがよいといわれます。脂が少ないので、天ぷらにして油を補った料理も絶品。
昔から江戸前の天ぷらには欠かせないタネです。
フライも中々の味です。
三枚におろした身肉にスライスチーズと青じそをのせて巻いてから楊枝でとめて、
パン粉をつけてフライにした洋風の食べ方もあります。
最近は、腹開きしたキスの冷凍物が輸入され、市場に出回っているが、
塩で処理してあるためか塩味の強いのが気になります。
開き干しはフィリピン、マレーシア、インドネシアで加工され冷凍品として輸入されています。
初夏から秋にかけて浅瀬に近づくときが、釣りの季節。春から夏にかけて浅いところで釣れ、
夏から秋にかけては深いところで釣れます。
アオギスは舟影に敏感で、おびえて寄りつかないところから、
東京湾の釣り場では脚立釣りという、脚立をたてて釣る方法が考えられたそうです。
川へ上ってくることもあります。
鮮度の低下したものは、腹部からくずれ、ウロコがはがれやすくなっています。食べ頃は5月頃から初夏。
きす添えて白粥命尊けれ
波郷
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」210号(2003年6月5日発行)に掲載された記事です。
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