サケ
サケの脂肪含有量は9月末になると10%以上になって、美味しくなります。
筋肉の橙色はカロチノイド系のものだが、鉄分は含まれていません。
生の身には、わずかな特有の臭みがあります。この成分はトリメチルアミン。
塩漬けにすると消えます。サケの旬の頃は卵巣が大きくなっています。
未成熟卵が筋子、成熟したのがイクラといわれています。
サケは川で卵からかえり、4㎝ぐらいになると川をくだって海で過ごします。
そして約4年後に成魚となり、川に戻って産卵します。
一番美味しいのは、産卵のために川に上ったときといわれています。
いまでは卵を人工孵化させて稚魚にし、川に放流して海に返しているが、
放流した稚魚の中で、母川に産卵のために戻るのは3%位といわれています。
サケの身は橙色だが白身の魚に分類されています。
白身の魚としては、タンパク質、脂質ともに豊富。
ビタミン類では特にビタミンDが多く含まれています。
Dは、カルシウムとリンの吸収を高めて骨や歯を守ります。
また筋肉の機能を維持するなどの作用があるので、
子供やお年寄りには不可欠の栄養素です。
B群もすべて含まれています。B1やB2は、脳や神経の機能を正常に保つ、
精神を安定させる、筋肉の疲労を癒す、過酸化脂質を分解し老化を防ぐ、
成長を促進する、細胞の再生を促す、粘膜を保護するなどの効果があります。
B12は、神経系を正常に働かせ、
葉酸と協力してヘモグロビンの合成を助けて赤血球を作ります。
EPAとDHAも多く、卵の筋子はEPA、DHAともに1~2位を争うほど多く含まれています。
高血圧・高コレステロール血症、中性脂肪を改善し、
脳卒中や心筋梗塞を予防するのに役立つし、
抗がん、アレルギー症状の改善などの効果が期待されます。
鮭の鰭はみ出してをり石狩鍋
千葉 仁
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」212号(2003年8月5日発行)に掲載された記事です。
著者 |
|
略歴 |