正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

*

がんを防ぐーサツマイモー

     - クスリになる食べ物

アメリカの国立ガン研究所が「サツマイモ、カボチャ、ニンジンを合わせて、一日に100gを食べるだけで、まったく食べない人に比べて、肺ガンが半分に抑えられる」という研究を発表しました。いま、サツマイモに含まれるカロチン、プロテアーゼ阻害物質、その他抗酸化物質の存在が注目されています。

サツマイモは芋類の中では、ビタミンCを一番多く含んでいます。ビタミンCは、水に流れやすく熱に弱いので調理のときに気を使うところですが、サツマイモに含まれるビタミンCはピーマンと同様、壊れにくいのが特徴で、焼きイモにした場合でも生のときの9割は残ります。ビタミンEも、玄米の約2倍あって、成人病に欠かせないカリウムも豊富に含まれています。また、「金時」などの黄色の強い品種にはβ‐カロチンがたくさん含まれていて、ガン予防に期待が寄せられています。ビタミンCは発ガンの恐れのある物質を分解させますので、防ガン対策には常に心がけたい食べものの一つです。

漢方には、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」と呼ばれる処方薬があります。これは身体の消化器の働きを補い、全身の元気をつけるという薬ですが、これと同じ働きをサツマイモは持っています。また、サツマイモを食べるとお通じが良くなりますし、シミやソバカスの発生を予防してくれます。これは、サツマイモには食物せんいがたくさん含まれているのと、アマノイドという物質や、ヤラピン(サツマイモを切ったときににじみでる白い液)という一種の樹脂配糖体を含む物質がありますので腸内細菌の繁殖を促進するためです。

サツマイモにはデンプンやショ糖、ブドウ糖、果糖などの天然の甘みがギッシリ詰まっています。こういう天然の甘みを食べ慣れると、人工甘味料の甘さに抵抗感を覚えるようになります。子供たちには安全なおやつを食べさせるなら、スナック菓子よりもサツマイモのほうが上々です。栄養分を逃がさない最もよい食べ方は焼くことです。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」156号(1998年12月5日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。