正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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ミズナ(水菜)

     - クスリになる食べ物

ミズナは関東では京菜といっています。京都が原産です。一株に細い葉が数十本密生している形で、関西のものは葉に深いギザギザの切れ込みがありますが、関東のものは切れ込みが浅く、葉の形や株の姿から、ひいらぎな・千本菜・糸菜などの別名があります。水菜という名前は、深く掘った畔に水を貯えて栽培したことから名づけられたとされています。

京都の漬け菜のミブナ(壬生菜)は水菜の仲間ですが、京都ではこれもミズナと呼んでいます。今ではすっかりポピュラーになったミズナですが、自家採取で種をつないでいる京野菜の「ミズナ」は通常のものとはかなり違い、一株が3~4kgほどの大株で昔ながらの姿をしています。

今でも京都の上鳥羽地区では、伝統的な栽培が行われていますが、核家族化が進んで、サラダの用途が増えたことから、大株の需要は激減しています。

ミズナにはミネラル・ビタミン・食物繊維も多く含まれています。カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変化するので、Aの重要な供給源です。Aは皮膚や粘膜を正常に保って、その機能を守ります。また、カロテン自体は抗酸化作用によってガンを予防する作用があります。

抗ガン作用のあるビタミンEとCも多く、キャベツやブロッコリーなどと同様にガンを予防する食べ物として重要視されています。最近はサラダとして利用する人が増え、健康野菜としての供給源として評価されています。

ミネラルの含有も多く、カリウム・カルシウム・鉄が特に多い。カリウムはナトリウムの排泄を促進して高血圧の予防や改善する働きがありますし、骨をつくるのに必要なリンやビタミンKも豊富なのでカルシウムの利用効率がよい。

ミズナは塩漬けなどの漬物や、煮物・鍋物・あえ物など、いろいろ用いられます。やわらかいところを生のままサラダにしたり、削り節と醤油をかけたり、刻んで納豆に混ぜてもおいしい。関西では、正月の雑煮などの青みにもよく使います。

水菜採る畔の十字に朝日満ち
飯田龍太

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この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」437号(2022年5月6日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。