正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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アサリ

     - クスリになる食べ物

アサリ(浅利,浅蜊、蛤仔)の和名は、海辺に行くと手軽に漁(あさ)り採ることが出来たため、
「漁る」から「あさり」に転訛したものといわれています。
大きいものだと殻長が6㎝ほどになる二枚貝の一種で、食用として重要な貝のひとつです。
アサリには「赤いビタミン」と呼ばれるビタミンB12が豊富に含まれ、
正常な赤血球を生み出す大切な働きをしています。
昔から貧血の予防にはアサリといわれてきました。
不足しがちな鉄分をアサリ汁で補うようにすると良いと思います。
また、タンパク質が多く、血液をきれいにしてくれ、
動脈硬化を予防するタウリンも豊富に含まれています。
肝臓の悪い人は、シジミと同じように用いたら良いと思います。
脂肪酸、ビタミン類、リン、カルシウム、カリウム、鉄分やコリン、
亜鉛などのミネラルが多いので、動脈硬化・高血圧の予防、美肌にも効果的です。
コリンは循環器系の機能には欠かせない栄養素です。

循環器系といいますと血液を全身に循環させるのが心臓と血管です。
改めてお話しするまでもありませんが血液は心臓から出て、全身に行き渡り、心臓へ戻ってきます。
これが血液循環です。心臓から血液を出す血管を「動脈」、
心臓へ戻す血管を「静脈」といい、その間に「毛細血管」があります。
ビタミンB12には末梢神経の働きを正常に保つ作用もありますので、
眼精疲労や肩こりの解消にも役立ちます。
リンやカルシウムなどは骨粗鬆症を予防し、亜鉛は味覚障害を予防します。
アサリは古くから食用とされ、貝塚などから数多くの貝殻が出土しています。
江戸時代にはアサリ売りが町を回っていたといわれ、みそ汁の具や江戸前の佃煮などとして、
今も日本の食生活には欠かせないものとなっています。
現在は入江(内湾)の開発や汚染で生産が激減していて、
中国や韓国のものがほとんどで、これらの輸入品を干潟や浅瀬で畜養して、
日本産として再漁獲して販売することが多くなってきています。

陽炎にぱっかり口を
浅蜊かな 
一茶

アサリ


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」413号(2020年5月7日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。