あずき
赤飯、あずき粥、しるこ、ぜんざい、ぼたもち、きんつば、まだまだあります。日本の年中行事にはことごとく登場するのがあずきです。特にお祝いの日には必ずといってもよいほど食卓にあります。色も赤くておめでたいからというばかりではなく、成分もすぐれているからです。あの有名な高麗にんじんと同じ成分のサポニンが含まれ、同じような薬効があります。
中国国立政工大学の教授として永く教鞭をとられた蘇泰肇先生は「漢方では小豆は便通をよくし、尿の通下をよくするとともに、瘍腫膿血を排出する薬効がある。ふだんから小豆入りの玄米食を食べていると、脚気にかかることがない。脚気というと過去の病気のように思われがちだが、インスタント食品の普及で、脚気患者が年々ふえてきている。
中国に、脚気患者が、小豆を袋に入れたのをせっせと踏み続けていたら、それだけで治った、という話もある。」と述べています。日本にも一日と十五日に赤飯を炊く習わしがありました。小豆めしを食べるのは、食養生の点からみても、理にかなったことだといえよう。
サポニンは便通を促し、心臓病や肝臓病のむくみをとってくれる、生活習慣病の対策に欠かせない食材といえましょう。日常的に摂りたい食品のひとつです。
あずきといいますと和菓子を想像してしまいますが、甘くしない食べ方もたくさんあるはず。発想を転換してもっと食べてみては如何でしょう?
あずきには体に不要なものを排泄する解毒効果があるといわれます。食物せんいが通じを促し腸を整えたり、カリウムがナトリウムを排泄してくれるほか、サポニンが腸を刺激し便秘に効果があり、利尿も促します。さらにコレステロールや塩分なども排泄して、血をきれいにしてくれます。こうした利尿作用は、心臓病や肝臓病によるむくみをとることにもつながります。
昔からあずきが脚気に効くといわれるのはビタミンB1が豊富だからでしょう。
乳飲子の口に一粒小豆粥
中野三允
西野次朗
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」470号(2025年2月5日発行)に掲載された記事です。
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