水(二)
暑い夏は、脱水状態になりやすく、体の水分が不足すると血液の粘稠性(ねんちゅうせい)が高まり、ドロドロしてきます。
そして血栓ができやすくなります。普通、心筋梗塞や脳卒中は冬に多いのですが、
汗をかく夏も水分不足によって、発作を招くこともあります。
予防には、こまめに水分を補給することが必要で、
のどが渇いているかどうかにかかわらず、意識的に飲むようにします。
のどの渇きを感じたときには、すでに血液の粘稠性は高まっているからです。
とくに高齢者の場合、暑さに順応する体の働きが低くなっていますので、
のどの渇きを感じにくくなっています。早めに水分を摂るようにします。
また、夏の暑い日などに汗をたくさんかきますと、トイレに行く回数が少なくなります。
このような場合、トイレに行きますと、尿の色が濃くなっていることがよくあります。
これは水分が不足している証拠ですから、補給のサインと思って、たっぷり水分を摂るようにしましょう。
尿が濃くなるということは、体内の水分が少ないのにもかかわらず、
老廃物を尿中に溶かして排泄しているからですが、問題は、高齢者の場合です。
加齢によって、腎臓の働きが低下してきますと、尿の中に溶かし込む老廃物の量が減ってきますが、
それと同時に尿を濃くする機能も衰えます。
そのため、より多くの尿を出す必要がありますので、水分の補給に心がけることがとても大切なのです。
高血圧症や動脈硬化が進んでいる人の場合、運動中に水分の補給を怠ると、血液がドロドロになり、
心筋梗塞や脳卒中の発作を起こすことがありますので、つとめて積極的に水分をとることが必要です。
動きの激しいスポーツにかぎらず、ゴルフ程度の運動でも起きることがあります。
汗をかいたにもかかわらず、スコアやゲームの勝敗に気をとられて、水分補給を忘れてしまうからです。
水分は、出ていった分だけ、補給するのが鉄則です。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」187号(2001年7月5日発行)に掲載された記事です。
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