海の幸(二)
以前、積丹の知人から聞いた話ですが、
目がパッチリした赤ちゃんを産もうと思ったら、
アワビを生で食べるといいということでした。
アワビは夜行性で、夜、アラメやホンダワラなどいろいろな海藻を盛んに食べます。
海藻はビタミン、ミネラル、ヨードを豊富に含んでいるので、
それを常食にしているアワビは身体に有効です。
とにかく海藻は老眼、近視、トリ目、トラコーマを防いで、消化もいい。
胃潰瘍や盲腸、胆石などの手術後やお産のあとの養生にも効果があるので、
見舞いに行くときなどは、果物ももちろんいいですが、
アワビを生で持っていって食べさせるのがいいということでした。
カキ(牡蠣)も効用の多い貝の一つです。
海のミルクといわれますが、栄養が豊富です。
ドイツのビスマルクは一度に生ガキを175個たいらげたそうですが、
ドイツの人はカキをよく食べます。
私もドイツの医者といっしょに食事をしたことがありますが、
レモンをしぼって旨そうに食べていたのを覚えています。
カキは健康にいいということで世界中で食べられています。
血圧の高い人や糖尿病の人はカキの貝殻を捨てないで、
5、6個袋に詰めてお風呂の中に入れておきます。
昔から浄化作用があって体にいいといわれています。
私のいなかの古老の話ですと
「おねしょをする子がいたらナマコを三杯酢(酢・醤油・酒を適宜にまぜたもの)にして
食べさせると治るし、啖がのどに詰ったときは
クラゲを中華料理風にして食べるとよい、ミルガイは精力剤だし、
ゼンソクになったらコウイカの舟(甲)を魚屋に行って2、3枚もらって、
カラカラに干して、ミキサーで粉末にする。
これを鍋に入れて煎じたものを5~10グラムずつ1日3回食後に飲めば、100人のうち85人までが治る。
アカガイは火傷の薬になるし、シジミは黄疸に効くし、
タバコをたくさん吸う人はシジミの味噌汁を飲めばよい。」話は尽きませんでした。
(コウイカー胴は楕円形で、体内に甲またはイカの舟と呼ばれる石灰質の貝殻がある。
肉が厚く刺身として美味。すみいか。)
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」194号(2002年2月5日発行)に掲載された記事です。
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