正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

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喫煙対策 あなたはたばこ、やめられますか?

昨年成立した健康増進法が5月から施行されました。
この法律の基本方針として健康増進を推進するために、
食生活、運動、休養、飲酒、喫煙、歯の健康保持の生活習慣に関する
正しい知識の普及に関する事項があります。
そのひとつに受動喫煙の防止があります。学校や体育館、病院、劇場、デパート、官公庁施設等、
多数の人が利用する施設を管理するものは、これらを利用する時の受動喫煙、
つまり他人のたばこの煙を吸わされることを防止するために
必要な措置を講ずるように努めなければならなくなりました。
喫煙者にとっては、ますます肩身の狭い状況となっています。
たしかに、自分でたばこを吸うことによって健康を害するのは仕方のないことかもしれませんが、
人の吐き出す煙に不快な思いをして、さらにそれが健康に良くないということになれば、
どうにかしなければならないのはあたりまえかもしれません。
場所や時間帯を決めて喫煙する分煙が広がっていますが、さらに完全禁煙のところが増えるようです。

その一方で、喫煙習慣を高める遺伝子「たばこ遺伝子」の存在が明らかになっています。
この遺伝子を持っている人がいったんたばこを吸い始めると、
男性で3倍以上、女性では7倍も遺伝子を持たない人よりも習慣的になりやすいそうです。
喫煙の依存はニコチンの依存です。この依存はカフェインの10倍といわれています。

そうなりますと、意志を強く持てばよいという問題ではなく、
医療機関に相談することも必要かもしれません。
禁煙するとニコチンそのものは2時間程度で血中から消失しますが、
その代謝産物の影響はしばらく残ります。
たばこを取り出しにおいをかいで、火をつける、
そして煙を吐き出すという一連の感覚がここちよいのだと思います。
そんな喫煙習慣をやめることが、あなたにはできますか?


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」210号(2003年6月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。