ストレス発散 叫ぶか黙るか
昨年12月から50名以上の事業場では従業員のストレスチェックの実施が義務づけられました。労働安全衛生法によるものです。それぞれが対応し、働くものの安心・安全の確保が保たれていきます。
ストレス社会といわれる現代、私たちは多くのストレスにさらされています。生きていく上では、ストレスを避けることはできません。避けられない以上、ストレスと上手に付き合っていかなければなりません。ストレスを放置して溜め込んでおくと、心が病んでしまうことだってあります。
夫婦喧嘩と病気に関する研究があります。2016年のアメリカ、ノースウェスタン大学のユニークなものです。
夫婦の意見が合わないとき、怒りを表に出す人は心疾患の危険性が高まる。反対に感情を押さえ込んで対話を拒否する人は背中の痛みや肩こりなどの筋骨格系の障害につながる可能性があるというものです。
夫婦156組に20年以上にわたり、5年ごとに研究室で楽しい話題と意見の合わない話題を話し合ってもらい、ビデオに録画したそうです。試験開始時、約半数が40~50歳、残りが60~70歳でした。行動を観察し、チェックする専門家が顔の表情、身振り、声のトーンを元に対話を評価しました。そして、健康状態の詳細を併せて調査したものです。
その結果、怒りと心血管の病気の関係性が最も強いことが判明しました。「怒りを強く表す」群の81%は、胸痛や高血圧などの心血管症状を20年間で1回以上経験していました。これに対し、「怒りをあまり表さない」群では約53%でした。「強く拒否する」夫の約45%は背中の痛み、筋肉痛または肩こりがみられたそうですが、「あまり拒否しない」夫では23%のみであったそう。
今回の研究は行動と健康障害の因果関係を証明するものでありません。けれど、男性には関連性が強くみられたようです。怒りをコントロールする意味は大きいようです。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」367号(2016年7月5日発行)に掲載された記事です。
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