正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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季節の変わり目

札幌ではナナカマドが赤くなり、イチョウも黄色く色づき始めました。季節の変わり目です。春夏秋冬、季節の移り変わりのある日本では、よく「季節の変わり目」という言葉が聞かれます。この頃になると、どうも疲れがたまりやすい、風邪や病気になりやすいという人も多いようです。

季節の変わり目には、温度や湿度、天候が大きく変動します。寒くなったと思えば、前の季節に逆戻りするような暖かな日に戻ったりします。この変化に敏感に反応するのが「自律神経」です。この自律神経の調子が乱れることで、身体はもとより、心もつかれやすくなるのです。また、疲れの回復も遅くなります。

「とにかく元気をだそう」と頑張りすぎるのは禁物です。まずは生きるために必要な「食べる・動く・寝る」のリズムを自分なりに掴んで、無理をしないことが良いようです。いつも頑張っている自分に優しくするチャンスの季節でもあると思います。

こんな研究があります。脳卒中の発症にはさまざまな気象条件が影響するといわれています。広島「救急と気象」の脳卒中研究グループが、気温が大きく低下した4日後に脳内出血の発症頻度が増加する可能性があることを報告しています。脳卒中の発症日と前日の気象条件が、身体の調節に重要な役割を果たすと考え、気象条件やその変化と脳卒中発症の関連に着目した結果です。

季節の変わり目は、こういう変化が大きくなる時です。自然現象ですから、強い体にしておくことが必要です。

季節の変わり目の体調不良は①十分な睡眠②体温管理③免疫力を高める食事、で防ぎましょう。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」382号(2017年10月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。