正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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運動はやっぱり大切

心も体も良い状態、健康であるためには、運動は大切です。運動の効果は広いです。

たとえば、善玉コレステロールを増やし、心拍数を下げ、血圧も下げます。運動すると骨密度も増加します。筋肉は柔軟性が高まり、耐久性や成長を促進します。血液に酸素が多く取り入れられ、呼吸の安定や肺活量にも良いです。便秘の解消も期待できます。免疫機能も強化され、感染症の予防にもつながります。さらに、認知機能や注意力も高まり、ストレスレベルを下げるとも。お肌にも良いです。運動は良いことだらけ、効果テキメンです。

ですが、改めて運動するとなると、頑張らなくてはならなかったり、苦手であったり、続かなかったり。とにかく続かないのが問題です。さて、どういたしましょう。

人は変化を嫌う傾向が強いです。毎日の生活パターンが変わらない、週末は出かけずに家でくつろいでいたい、外食は同じメニューで注文する、仕事で新たな方法を考えなければならないことはストレス、なんてことはありませんか。もう少し考えてからにしようと始りません。現状維持は安心ですが、自分の可能性をつぶしているかもしれません。

運動を始める、生活の中にどのように取り入れるかが課題です。まずは、自分の心が弱いのではなく、人は変化が恐ろしいのだということを意識することから始めると良いようです。情けないのは自分ではない、人はみんなそうなのだと。少し気持ちは楽になるはずです。

次に、習慣化するプロセスを考えます。運動の時間を特別とるのではなく、運動の回数を無理して増やすのではなく、普通に毎日繰り返すことにする方法です。狙いの運動は簡単であればあるほど、抵抗が少なくなる可能性があります。

私は最近、職場の自分の部屋にコーヒーポットを置くことをやめました。コーヒーを飲みたいときは給湯室まで行く。本当にわずかなことですが、そのために椅子から立ち上がる回数は増えています。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」468号(2024年12月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。