正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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蕃秀(ばんしゅう) 〜植物が茂って花が咲き乱れること〜

     - 鍼灸治療

北海道ではこの季節、屋外に足を運ぶとスズラン、ライラック、ニセアカシア、ラベンダーなどの花のさわやかな、甘やかな香りが漂ってきます。その中で私にとって印象深いのはラベンダーです。

ラベンダーという言葉を知ったのは14〜15歳のころだったと思います。SF作家、筒井康隆の小説「時をかける少女」を読んだときのことです。この作品は1983年原田知世さんの主演で映画化され注目されましたが、原作は1965年学習雑誌に連載され、1967年単行本が出版されました。その小説を読んだとき、ラベンダーが、どんな花なのか、どんな香りなのかもまったく知らないまま、ラベンダーにあこがれていました。その後、旧国鉄のディスカバージャパンキャンペーンのポスターに中富良野のラベンダー畑の景色が使われアン・ノン族(雑誌anan,nonnoの読者のことです)の旅ごころをさそい、富良野のラベンダー畑へ旅する若い女性が増えたそうです。さわやかな初夏の北海道の、青い空と広大なラベンダー畑とラベンダーの香りは、道民の私も魅了されます。そのあと富良野やラベンダー畑をさらに有名にしたのはドラマ「北の国から」ですね。

ラベンダーは地中海沿岸、北アフリカを原産地とするシソ科の植物です。アロマテラピーでは、ラベンダーの葉や花から抽出した精油を使います。ラベンダーは、万能精油といわれるように、効能はたくさんあります。頭痛や月経痛、肩こりなど痛みの緩和、ココロの緊張をゆるめ、ストレスをやわらげるといわれています。眠れない時に も役立ってくれます。

さて、ラベンダーをはじめ草木がぐんぐん育ち、花々が開花するとき、自然界には陽の気が満ちています。蕃秀の時期は、人体においても、体内の陽の気を皮膚を通じて外に放散しましょうと、東洋医学の古典、黄帝内経には書いてあります。カラダの汗も、ココロの汗も放散しましょう。

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この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」438号(2022年6月6日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。