サバ
「海のコメ」がイワシで、アジとサバは「海のムギ」の役目を果たしているといわれるほど、
量も多く、日本はもちろん、世界中を回遊しています。
サバはサバ科サバ属の総称で、日本ではマサバとゴマサバがとれます。
サバは、魚偏に青と書くように、海の環境に合わせて保護色をしています。
青い海を泳ぐサバの群れは濃い緑色のかたまりになっているので、
とっさに何尾いるかと聞かれても、ベテランの漁師でも数を当てるのは不可能といわれます。
「サバを読む」といういい方があります。
これはアイヌの人たちがサバをたくさんとって分配したところ、何度数えても数が合わなかったという珍説や、
江戸時代に、上方で取引されたサバは、開きにした「刺し鯖」という、二枚で一枚にした物だったので、
これを数えていくうちに、いつもこんがらかって売り手と買い手が駆け引きしたことから、
こういういい方がされるようになったといわれます。
サバは魚の中でもビタミンB2が多く、キモは目が充血したときや疲れ目に効き、
点眼薬として用いたこともあります。また、タマゴはノボセに有効です。
そのほか皮膚や消化器官内の粘膜の健康を維持し、
動脈硬化を防いだり、薬物や毒物の解毒を助けるなどの働きがあります。
しかし、サバの刺身を食べるときは蕁麻疹や食中毒にかからないように、くれぐれも注意が必要です。
「サバの生き腐り」といわれるように、サバは鮮度が落ちてくると、
ほかの魚より多い血合い肉の部分が変質します。血合い肉は栄養の宝庫だが、
そこに含まれるヒスチジンがヒスタミンに変化するので、これがアレルギー症状を起こすのです。
大阪や京都名物のサバの棒ずしをバッテラというが、バッテラはオランダ語でボートの意味。
最初は、尾のピンと上がったコノシロ(ニシン科の硬骨魚)の姿ずしの形が
ボートに似ていたところからバッテラといっていたが、コノシロが高価になって、
サバにとって代わられてしまったのだそうです。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」208号(2003年4月5日発行)に掲載された記事です。
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