正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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チンゲンサイ

     - クスリになる食べ物

チンゲンサイは1970年代の日中国交回復のころに伝えられました。和名は、「タイサイ(体菜)」です。日本に伝えられて、まだ、年月の浅い野菜ですが、よく食べられていて、私たちの食生活になじんできています。

漢字では「青梗菜」と書かれます。蒟蒻や牛蒡と同じように読みにくい漢字の一つで、書くことはなおさら難しい名前です。

チンゲンサイは白菜と同じ仲間ですが、白菜は主に鍋物を中心に使われるのに比べますと、チンゲンサイはくせがないので利用範囲の広い野菜です。味にもこれといったくせがなく、肉、ベーコン、貝、マッシュルーム、油揚げなどとどんなものとも相性がよく、使いやすいことが利用率を高めている理由かもしれません。中国野菜のエースといわれ、寒さにも暑さにも強い緑黄色野菜です。

甲南大学特別客員教授の田中修先生は、チンゲンサイが日本に来て日が浅いのに、私たちの食生活になじんでいる理由は、主に三つに整理できると、次のように述べています。
「一つ目は、栄養が豊かなことです。カロテンやビタミンCが多く含まれているので、抗酸化作用が強い野菜です。またミネラルも豊富に含まれています。ナトリウムの排泄を促し高血圧を防ぐといわれるカリウムや、骨の成分となるカルシウムなどです。腸の働きを促し、便通をよくする食物繊維の含有量も多いのです。

二つ目は、日本で従来から食べられてきた、「非結球の三大青菜」である、ホウレンソウ、コマツナ、シュンギクなどと、季節が重ならないことです。三大青菜は、主に冬に出まわりますが、チンゲンサイは、これらが品薄になりがちな春から秋にかけても収穫できます。

三つ目は、どのような料理にも使えることです。炒めても、ゆがいても、蒸しても、おいしく食べられることです。しかも、和食、洋食、中華料理など、どの料理にでも容易に使えます。たとえば、和食なら、おひたしや天ぷらの素材として使えます。洋食なら、サラダやスープなどの食材となります。中華料理なら、中国から伝えられた野菜だけに、あんかけ料理や肉との炒め物に利用できます。」

炒め物
強火がよしと青梗菜
大塚宏江

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この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」435号(2022年3月5日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。