正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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不規則な生活は老化を早める

規則正しい生活、習慣を作ることは簡単ではありません。私自身は何かやろうと新たに始めること、たとえば、筋トレとかダイエットは基本的に3日坊主で、うまくいったためしがありません。多くの人が共感されるのではと、思っています。

新たな習慣を取り入れるのが難しいのは、脳の仕組みが関係しています。脳には安定化志向という性質があります。大きな変化を嫌う性質です。そのため、筋トレするとか、ダイエットするとか、これまでの私の生活になかった大きな変化を伴う習慣を、いきなり始めようとしても、苦痛になり続かないのです。

それでは、習慣を新たに作るには苦しみながらやるしかないのかというと、そうではありません。脳は少しずつなら変化できるという可塑性という性質を持っています。習慣を変える時には、少しずつ、簡単なことから始めて達成感を得て、徐々に変化させていくとできるはずです。

なぜ、規則正しい生活にこだわるかというと、健康の三原則「食事」「睡眠」「運動」を整えることにつながるためです。たとえば、食事時間が不規則だと老化が進むという研究があります。

国立長寿医療研究センターで行われたもので、地域で生活している378名の高齢者を対象とした、食事時間の不規則性と老化との関連についての研究です。結果は、食事時間が不規則な高齢者は、規則的な高齢者と比較して年齢が有意に若いにもかかわらず、老化の指標のGDF-15が高く、細胞レベルでの老化が早いことが示されました。

また、食事時間が不規則だと、食事を抜くことが多いです。朝食抜き、昼食抜きが増えていました。さらに、食品群でみると野菜や魚介の摂取量が少なく、食事の質の低いことがわかります。

この研究は同じ人たちを追った研究ではありません。それでも食事時間が不規則な人は、食事の質を特に気をつけなければならないことを示していると考えます。

*GDF-15は組織のストレスや損傷によって上昇し、老化指標として使われています。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」488号(2026年8月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。