正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

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冬の準備・心の準備

11月は秋と冬の境目となる季節です。「霜月」という名の通りです。
食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋、芸術の秋と賑やかだった季節から、
静かに冬の準備をする変化の時です。
風の強い群馬にいる私は、乾燥対策も始めなければならないと思い始めています。

冬の準備といえば、インフルエンザ予防接種が浮かびます。
アメリカの疾病対策センターは10月時点で
インフルエンザの流行が早まるであろうことを警告しています。
すでに、日本でもその兆しがあるようです。早めの予防接種をお勧めします。

かくいう私も実はまだ済ませていません。これからの予定です。
多くの人と接する機会が多いので、一応毎年予防接種を受けています。
ですが本当のところ、私は注射が苦手です。インフルエンザの予防接種は一仕事となります。
緊張と恐怖が痛みを強くします。一度は、緊張のあまりに筋肉がこわばり、
針先に意識が集中し、痛みを強く感じ、結果ぎっくり腰になりました。
次に待っていたお子さんは、車いすに乗って出てきた私の姿に驚きを隠せず、
自分の番には泣いて抵抗していました。申し訳ないほど、恐ろしい思いをさせました。

できれば、大人も子供も少しでも痛くないように注射を受けることができればと思います。
痛みを我慢しなければならないことはありますが、できれば無用な痛みは避けたいです。
いろいろ試した結果、呪文を唱えることは効果がありました。
「ワクチンさん、ありがとう。歓迎します。待っていました。」と、心の中で唱えることです。
そうすると、照れ笑いの微笑みの表情となり、力が抜けます。
また、黙って注射を打つスタッフではなく、話しかけてくれる人だと、助かります。
黙っている人には、「実は、以前予防接種の時に力が入りすぎて、ぎっくり腰になりました」と自ら笑うことも大切です。
リラックスした雰囲気や、しょうもない人だと思われた力の抜けた感じが、
痛みを和らげてくれると思います。お試しあれ。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」406号(2019年11月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。