正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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『三陰交』の不思議

     - 鍼灸治療

ツボの数はWHO標準経穴では三六一穴あります。
三六一穴の中には皆さんがよくご存じのツボもありますし、
鍼灸師でもとっさに思い出せない地味なツボもあります。
「三陰交」は婦人科系のあらゆる症状に効力を発揮することで
有名ですので、女性ならきっとどこかで耳にしたことがあると思います。
水曜日のマタニテイクラスでは、マタニティライフを快適に過ごすための
ツボを使ったやさしいケアの仕方をご案内していますが、
先日は「お産が早く起きることはできますか?」とご相談されました。
予定日が何日か過ぎたのかと思い、お尋ねすると39週で
赤ちゃんが3100gくらいになっているので
病院からもなるべく早く生まれるといいですねと言われ、
はり・きゅうでお産を起こす方法があれば…とのことでした。
この方は過期産ではありませんが、赤ちゃんが大きくなるとお産が少し重くなります。
はりきゅうの治療には、遅れ気味のお産に対応する方法もありますので
さっそく治療いたしました。

6月10日(39週5日)と6月12日(40週2日)に
「三陰交」にゴマ粒くらいのお灸を30壮いたしました
6月13日午前2時に陣痛が始まり、午前6時21分、2898gで無事女の子を出産されました。
大変スムーズなお産でしたとご連絡があり、
その後もおっぱいもたくさん出て赤ちゃんもお母さんも元気です。
「三陰交」は脚の内くるぶしの6~7cmほど上の脛骨の際にあります。

三陰交

 

 

 

 

 

 

 

子宮や卵巣から遠く、また女性ホルモンの分泌にかかわる脳下垂体からも
遠い位置にあるのですが、なぜか女性に役に立ってくれる大事なツボです。

 


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」283号(2009年7月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。